中間法人の一般社団法人への移行
<中間法人の一般社団法人への移行>
1 公益法人改革と中間法人
公益法人制度改革関連法の一つとして成立した一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(ここでは,「一般社団・財団法人法」と呼びます。)が,平成18年6月2日に公布され,平成20年12月1日から施行されることになりました。この法律の施行に伴い、既存の中間法人は,一般社団・財団法人法に基づく一般社団法人に移行することになります。
そして、既存の中間法人の一般社団法人への移行の具体的な内容は,次の2及び3のとおりです。
2 有限責任中間法人の移行について
(1 ) 一般社団法人制度への移行
既存の有限責任中間法人については,一般社団・財団法人法の施行日に,何らの手続を要せず,当然に,一般社団法人となります。
したがって、原則として,一般社団・財団法人法の適用を受けることになります。
また,既存の有限責任中間法人の定款,社員,理事及び監事は,施行日に一般社団法人の定款,社員,理事及び監事となり,改めて定款を作り直したり,理事及び監事を選任し直したりする必要はありません。
(2 ) 中間法人の一般社団法人への名称の変更
(1)により一般社団法人となった有限責任中間法人は,施行日の属する事業年度が終了した後,最初に招集される定時社員総会の終結の時までに,その名称に「一般社団法人」という文字を使用する旨の定款の変更を行う必要があるので,その旨の社員総会の決議を得る必要があります
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(3 ) 一般社団法人移行登記
既存の有限責任中間法人の登記は,特段の登記申請を要せず,当然に,一般社団法人としての登記になります。
ただし,前記(2)の名称の変更を行った場合には,その旨の登記申請をする必要があり,また,その時に,役員変更の有無にかかわらず,下表の左欄から右欄のとおりに役員の登記事項を改める必要があります。
有限責任中間法人の役員に関する登記事項 一般社団法人の役員に関する登記事項
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3 無限責任中間法人の一般社団法人への移行について
(1 ) 一般社団法人制度への移行
一般社団法人制度には無限責任中間法人に相当する法人類型が設けられていないため,既存の無限責任中間法人は,施行日から起算して1年を経過する日までに,後記(2)から(4)までに記載する一般社団法人への移行の手続を行う必要があります。
もし,施行日から起算して1年を経過する日までの間に,一般社団法人への移行の手続を行わなければ,その無限責任中間法人は解散したものとみなされます。
なお,施行日から一般社団法人への移行の手続を行うまでの間は,既存の無限責任中間法人は,従前の中間法人法の適用を受けることになります(これを「特例無限責任中間法人」と呼びます。)。
(2 ) 総社員の同意
特例無限責任中間法人が一般社団法人への移行の手続を行うためには,総社員の同意により,移行後の一般社団法人の目的,名称,主たる事務所の所在地など定款に記載すべき事項や理事の氏名(移行後の一般社団法人に監事を置く場合は監事の氏名,会計監査人を置く場合は会計監査人の氏名又は名称)を定める必要があります。
(3 ) 債権者保護手続
前記(2)の事項を定めた場合は,特例無限責任中間法人は,定めた日から2週間以内に,一般社団法人に移行をする旨及び債権者が一定の期間(1か月以上)内に移行について異議を述べることができる旨を官報に公告し,かつ,知れている債権者には,各別にこれを催告する必要があります。
もし,債権者がこの一定の期間内に異議を述べた場合には,原則として,その債権者に対し,弁済し,若しくは相当の担保を提供し,又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければなりません。
(4 ) 一般社団法人への移行の登記
前記(3)の手続が終了したときは,特例無限責任中間法人は,その主たる事務所の所在地においては2週間以内に,その従たる事務所の所在地においては3週間以内に,当該特例無限責任中間法人について解散の登記をし,移行後の一般社団法人について設立の登記をする必要があります。
そして,これらの登記後は,一般社団法人として,一般社団・財団法人法の適用を受けることになります。
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